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新リース会計の解説 06

利息の配分と
使用権資産の償却

利息法による利息の配分、
使用権資産の償却方法、
変動リース料の取扱いを
計算例とともに解説します。

利息法による利息の配分

借手のリース料は、利息相当額部分とリース負債の元本返済額部分とに区分し、前者を支払利息、後者をリース負債の返済として処理します(適用指針第38項)。利息相当額の総額は、リース開始日における借手のリース料とリース負債の計上額との差額です。

各期への配分は、原則として利息法によります(会計基準第36項)。利息法では、各期の利息相当額をリース負債の未返済元本残高に一定の利率を乗じて算定します(適用指針第39項)。

設例9-1(月額1,000千円、5年、年8%、リース負債49,318千円)の返済スケジュールの冒頭は次のとおりです。

回返済日前月末元本支払元本分利息分月末元本
1X1.4.3049,3181,00067132948,647
2X1.5.3148,6471,00067532547,972
3X1.6.3047,9721,00068131947,291
…………………
60X6.3.319931,0009937―
合計60,00049,31810,682

単位:千円。1回目の利息分は 49,318 × 8% × 1/12 = 329。

利息は残高が大きい期間の初めほど多く、終わりに近づくほど少なくなります。使用権資産総額に重要性が乏しい場合は、利息を定額で配分する方法なども認められています(短期リース・少額リースと重要性)。

使用権資産の償却

使用権資産の償却は、所有権が借手に移転すると認められるリースかどうかで異なります。

所有権が借手に移転すると認められるリースそれ以外のリース
該当するもの①契約期間終了後又は中途で所有権が移転する
②購入オプションの行使が合理的に確実
③特別仕様で、借手によってのみ使用されることが明らか
(適用指針第43項)
①〜③のいずれにも該当しないリース(不動産賃貸借の多くはこちら)
償却方法原資産を自ら所有していた場合と同一の方法定額法等から企業の実態に応じて選択
耐用年数経済的使用可能予測期間原則として借手のリース期間
残存価額合理的な見積額ゼロ
根拠会計基準第37項会計基準第38項

所有権移転以外のリースでも、実態に応じて借手のリース期間より短い耐用年数で償却することは妨げられません(会計基準BC47項)。

毎月・四半期の仕訳の例

設例9-1で、第1四半期末(X1年6月30日)の仕訳は次のとおりです。

X1年6月30日(第3回支払日・第1四半期決算日)(単位:千円)

(借)リース負債681(貸)現金預金1,000
   支払利息319
(借)減価償却費2,466(貸)減価償却累計額2,466

減価償却費は 49,318 × 1年/5年 × 3か月/12か月 = 2,466千円です。支払が後払い(翌月初払い)で決算日に支払日が到来していない場合は、経過利息を未払利息として計上します(設例9-2)。

変動リース料の取扱い

指数又はレートに応じて決まる変動リース料は、指数・レートが変動し、そのことにより今後支払うリース料に変動が生じたときにのみ、残りのリース期間にわたってリース料とリース負債を修正し、修正額を使用権資産に加減します(適用指針第48項)。

設例13では、CPIが20%上昇して年額リース料が50,000千円から60,000千円に見直されたため、残り9回分のリース負債を450,000千円から540,000千円に修正し、差額90,000千円を使用権資産に加算しています(割引の影響は無視)。

一方、売上高に連動するリース料など、リース負債に含めなかった変動リース料は、発生時に損益に計上します(適用指針第51項)。設例13では、売上高800,000千円の1%にあたる8,000千円を支払リース料として計上しています。

損益への影響

オペレーティング・リースとして賃貸借処理していたリースをオンバランスすると、損益計算書では支払リース料に代わり、減価償却費(多くは定額)と支払利息(初めほど多い)が計上されます。そのため、同じリースでも、リース期間の前半は費用が大きく、後半は小さくなります。また、支払利息は営業外費用に計上されることが多いため、営業利益やEBITDAにも影響します。

理解度チェック

売上高に連動する賃料
(リース負債に含めていない
変動リース料)は、
どう処理しますか?

答えと解説を見る

答え:A リース負債に含めなかった借手の変動リース料は、発生時に損益に計上します(適用指針第51項)。指数又はレートに応じて決まる変動リース料は、リース負債に含めます。

本記事は、企業会計基準第34号「リースに関する会計基準」及び企業会計基準適用指針第33号「リースに関する会計基準の適用指針」(いずれも2024年9月13日 企業会計基準委員会)をもとにした一般的な解説です。個別の取引への当てはめは、事実と状況に応じて判断が必要です。判断に迷う場合は、新リース会計適用支援サービスでご相談いただけます。

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