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新リース会計の解説 01

新リース会計基準とは?
適用時期と何が変わるのか

企業会計基準第34号の全体像。
適用時期、対象となる会社、
借手の会計処理がどう変わるのかを
まとめます。

適用時期

新リース会計基準(企業会計基準第34号「リースに関する会計基準」)と企業会計基準適用指針第33号「リースに関する会計基準の適用指針」は、2024年9月13日に企業会計基準委員会(ASBJ)から公表されました。

  • 原則適用:2027年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から
  • 早期適用:2025年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から適用できる

3月決算の会社であれば、2028年3月期(2027年4月1日開始の事業年度)から適用となります(会計基準第58項)。

適用初年度は、期首(3月決算なら2027年4月1日)時点で存在するリースを洗い出し、使用権資産とリース負債を計上する必要があります。契約の洗い出しと識別は、適用開始の前から進めておく必要があります。

対象となる会社

新リース会計基準は、企業会計基準を適用する会社、つまり主に金融商品取引法の適用を受ける上場企業や、会社法上の大会社などが対象です。これらの会社の子会社も、連結財務諸表を作成するために親会社と同じ基準での処理が必要になる場合があります。

また、新リース会計基準は連結財務諸表だけでなく、個別財務諸表にも同様に適用されます(会計基準BC20項)。

借手の会計処理はどう変わるか

最も大きな変更は、借手がオペレーティング・リースも含めて、原則としてすべてのリースを貸借対照表に計上することです。これまでの企業会計基準第13号では、借手はリースをファイナンス・リースとオペレーティング・リースに分類し、オペレーティング・リースは賃貸借処理(支払リース料を費用計上)としていました。

これまで(企業会計基準第13号)新基準(企業会計基準第34号)
借手のリースの分類ファイナンス・リースとオペレーティング・リースに分類分類しない(単一の会計処理モデル)
貸借対照表オペレーティング・リースは計上しない原則すべてのリースで使用権資産とリース負債を計上
損益計算書オペレーティング・リースは支払リース料使用権資産の減価償却費とリース負債の支払利息
対象となる契約リース契約・これに準ずる契約契約の名称にかかわらず、リースを含む契約(不動産賃貸借、業務委託に含まれるリースなど)

借手の費用配分は、国際財務報告基準(IFRS)第16号「リース」と同様に、すべてのリースについて使用権資産の減価償却費とリース負債の利息相当額を計上する単一の会計処理モデルが採用されています(会計基準BC39項)。

一方、IFRS第16号のすべての定めを取り入れるのではなく、主要な定めのみを取り入れた、簡素で利便性の高い基準とされています。また、短期リースや少額リースの簡便的な取扱い、借地権の権利金の取扱い、経過措置など、実務に配慮した定めが置かれています(会計基準BC13項)。

貸手の会計処理

貸手の会計処理は、収益認識会計基準との整合性を図る点と、リースの定義・識別を除き、基本的に企業会計基準第13号の定めが踏襲されています(会計基準BC13項)。貸手は引き続き、リースをファイナンス・リースとオペレーティング・リースに分類します。

経理の実務で増える作業

借手の立場では、次のような作業が新たに必要になります。

  1. リースの識別:全社の契約から、リースを含む契約を見つける(リースの識別)
  2. リース期間の決定:延長・解約オプションを考慮して借手のリース期間を決める(借手のリース期間)
  3. 当初測定:割引率を決め、使用権資産とリース負債を計算する(当初測定)
  4. 毎月の仕訳:減価償却費・支払利息・支払を記帳する(利息と償却)
  5. 変更の反映:賃料改定・期間延長・一部返還などを再測定する(契約条件の変更)
  6. 注記:使用権資産の内訳、キャッシュ・アウトフローなどを集計する(表示と注記)
  7. 税務:会計と税務の差を契約ごとに管理し、申告調整・税効果に反映する(税務と税効果)

さらに、適用初年度には既存のリースを移行する作業があります(移行と経過措置)。

押さえておきたい用語

リース
原資産を使用する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転する契約又は契約の一部分(会計基準第6項)
原資産
リースの対象となる資産で、貸手によって借手に当該資産を使用する権利が移転されているもの(第9項)
使用権資産
借手が原資産をリース期間にわたり使用する権利を表す資産(第10項)
借手のリース期間
解約不能期間に、行使することが合理的に確実な延長オプションの期間と、行使しないことが合理的に確実な解約オプションの期間を加えた期間(第15項)
リース開始日
貸手が、借手による原資産の使用を可能にする日(第18項)
借手のリース料
借手がリース期間中に原資産を使用する権利に関して貸手に行う支払(固定リース料、指数・レートに応じた変動リース料、残価保証の支払見込額、購入オプションの行使価額、解約違約金)(第19項)
リースの契約条件の変更
当初の契約条件の一部ではなかったリースの範囲又は対価の変更(原資産の追加・解約、契約期間の延長・短縮など)(第24項)

理解度チェック

新リース会計基準が原則として
適用されるのは、いつからですか?

答えと解説を見る

答え:B 2027年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から適用されます。2025年4月1日以後開始する年度の期首からの早期適用も認められています(会計基準第58項)。

本記事は、企業会計基準第34号「リースに関する会計基準」及び企業会計基準適用指針第33号「リースに関する会計基準の適用指針」(いずれも2024年9月13日 企業会計基準委員会)をもとにした一般的な解説です。個別の取引への当てはめは、事実と状況に応じて判断が必要です。判断に迷う場合は、新リース会計適用支援サービスでご相談いただけます。

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