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新リース会計の解説 05

短期リース・少額リースと
重要性の判断

オンバランスしなくてよいリースの要件と、
利息の簡便的な取扱いの
判断基準を解説します。

新リース会計基準では、すべてのリースをオンバランスするのが原則ですが、重要性の乏しいものについては簡便的な取扱いが認められています。どの取扱いを使うかによって、計上するリースの範囲と作業量が大きく変わります。

短期リース

短期リースとは、リース開始日において、借手のリース期間が12か月以内であり、購入オプションを含まないリースをいいます(適用指針第4項(2))。

短期リースは、使用権資産とリース負債を計上せず、借手のリース料をリース期間にわたって原則として定額法で費用計上できます(適用指針第20項)。この取扱いは、原資産の科目ごと、又は性質・用途が類似する原資産のグループごとに選択できます。

短期リースの判定は「契約期間」ではなく「借手のリース期間」で行います。契約期間が1年でも、延長オプションの行使が合理的に確実であれば短期リースに該当しません(借手のリース期間)。

短期リースに係る費用は、損益計算書で区分表示していない場合、注記が必要です。ただし、借手のリース期間が1か月以下のリースや少額リースに係る費用は含めなくてもよいとされています(適用指針第100項(1))。

短期リースに関する簡便的な取扱いを適用していたリースのリース期間が変わった場合の取扱いも定められています(適用指針第50項)。

少額リース

次の(1)又は(2)を満たすリースは、使用権資産とリース負債を計上せず、借手のリース料をリース期間にわたって原則として定額法で費用計上できます(適用指針第22項)。

区分要件
(1)重要性が乏しい減価償却資産を購入時に費用処理している場合で、借手のリース料が当該基準額以下のリース。基準額は利息相当額だけ高めに設定でき、原資産の単位ごとに適用できる
(2)①企業の事業内容に照らして重要性の乏しいリースで、かつ、リース契約1件当たりの金額に重要性が乏しいリース。旧基準の「リース料総額300万円以下」の判定を踏襲することを目的としたもの(BC43項)。金額の算定期間は原則として借手のリース期間だが、契約期間とすることもできる(第23項)
(2)②新品時の原資産の価値が少額であるリース。IFRS第16号と同様の取扱いで、開発当時(2015年)において新品時に5千米ドル以下程度の原資産を念頭に置いている(BC45項)。リース1件ごとに選択できる

(2)の①と②はいずれかを選択し、選択した方法を首尾一貫して適用します。

使用権資産総額に重要性が乏しい場合

使用権資産総額に重要性が乏しいと認められる場合は、使用権資産とリース負債を計上したうえで、次のいずれかの方法を適用できます(適用指針第40項)。

  • 利息相当額を控除しない方法:使用権資産・リース負債を借手のリース料の総額で計上し、支払利息は計上せず減価償却費のみを計上する
  • 利息相当額を定額法で配分する方法:利息相当額の総額をリース期間にわたって定額で配分する

重要性が乏しいと認められる場合とは、未経過の借手のリース料の期末残高が、当該期末残高・有形固定資産・無形固定資産の期末残高の合計額に占める割合が10パーセント未満の場合です(適用指針第41項)。連結財務諸表では、連結の数値で判定を見直すことができます(第42項)。

リースの種類(不動産とその他)で分けずに、企業全体で判定する点に注意が必要です(BC70項)。10パーセントを超えた場合の処理は設例17に示されています。

簡便的な取扱いの整理

取扱いB/S計上費用主な注記
短期リースしない定額で費用計上費用の発生額(区分表示していない場合)
少額リースしない定額で費用計上不要(キャッシュ・アウトフロー合計からも除く)
利息を控除しない方法する(総額)減価償却費のみ通常どおり
利息の定額配分する(現在価値)減価償却費と定額の利息通常どおり

理解度チェック

短期リースとして簡便的な取扱いが
できるのは、どれですか?

答えと解説を見る

答え:B 短期リースは、リース開始日において借手のリース期間が12か月以内であり、購入オプションを含まないリースです(適用指針第4項(2))。判定は契約期間ではなく借手のリース期間で行います。

本記事は、企業会計基準第34号「リースに関する会計基準」及び企業会計基準適用指針第33号「リースに関する会計基準の適用指針」(いずれも2024年9月13日 企業会計基準委員会)をもとにした一般的な解説です。個別の取引への当てはめは、事実と状況に応じて判断が必要です。判断に迷う場合は、新リース会計適用支援サービスでご相談いただけます。

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