貸借対照表の表示
| 項目 | 表示方法 |
|---|---|
| 使用権資産 | 次のいずれかを選択します(会計基準第49項)。 (1) 原資産を自ら所有していたと仮定した場合に表示するであろう科目(建物、機械装置など)に含める方法 (2) 原資産の表示区分(有形固定資産、無形固定資産、投資その他の資産等)において「使用権資産」として区分する方法 |
| リース負債 | 区分して表示するか、リース負債が含まれる科目と金額を注記します。貸借対照表日後1年以内に支払期限が到来するものは流動負債、1年を超えるものは固定負債とします(会計基準第50項)。 |
損益計算書の表示
リース負債に係る利息費用は、損益計算書で区分して表示するか、利息費用が含まれる科目と金額を注記します(会計基準第51項)。
注記の開示目的
リースに関する注記の開示目的は、財務諸表本表の情報と併せて、リースが借手の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに与える影響を、財務諸表利用者が評価するための基礎を与える情報を開示することです(会計基準第54項)。
借手は、この目的を達成するため、次の3つの区分で注記します(会計基準第55項(1))。開示目的に照らして重要性に乏しい注記事項は記載しないことができます。リースに関する注記は独立の注記項目とし、他の注記に記載済みの情報は参照できます(第57項)。
- 会計方針に関する情報
- リース特有の取引に関する情報
- 当期及び翌期以降のリースの金額を理解するための情報
注記事項は例示された項目に限定されません。借手のリース活動の性質、リース負債に反映されていない将来のキャッシュ・アウトフロー(変動リース料、延長・解約オプション、残価保証、契約済み未開始のリースなど)、リースによる制限や特約なども、開示目的に照らして必要なら注記します(適用指針第94項・第95項)。
会計方針に関する情報
次の会計処理を選択した場合、その旨と内容を注記します(適用指針第97項)。重要な会計方針として注記している場合は、その参照で足ります。
- リースを構成する部分と構成しない部分とを分けずに会計処理する選択(会計基準第29項)
- 指数又はレートに応じて決まる変動リース料の例外的な取扱いの選択(適用指針第26項)
- 借地権の設定に係る権利金等に関する会計処理の選択(適用指針第27項・第127項〜第129項)
リース特有の取引に関する情報
本表で区分して表示していない場合に、次の事項を注記します(適用指針第99項〜第101項)。
| 対象 | 注記する事項 |
|---|---|
| 使用権資産 | 原資産を自ら所有していたと仮定した場合の表示科目ごとの帳簿価額 |
| 変動リース料の例外 | 適用指針第26項を適用したリースに係るリース負債が含まれる科目と金額 |
| 借地権 | 償却していない旧借地権・普通借地権の権利金等が含まれる科目と金額 |
| 短期リース | 短期リースに係る費用の発生額と含まれる科目(1か月以下のリース・少額リースの費用は含めなくてよい) |
| 変動リース料 | リース負債に含めていない変動リース料に係る費用の発生額と含まれる科目 |
| セール・アンド・リースバック | 売却損益が含まれる科目と金額、金融取引として処理した資産の科目と金額など |
| サブリース | 使用権資産のサブリースによる収益が含まれる科目と金額など |
当期及び翌期以降のリースの金額
当期及び翌期以降のリースの金額を理解できるよう、次の事項を注記します(適用指針第102項)。
- リースに係るキャッシュ・アウトフローの合計額(少額リースに係るものを除く)
- 使用権資産の増加額
- 原資産を自ら所有していたと仮定した場合の表示科目ごとの使用権資産に係る減価償却の金額
これらは契約ごとの計算結果を集計して作ります。期中の新規契約・変更・解約を漏れなく反映した台帳が前提になります。
個別財務諸表の簡素化
連結財務諸表を作成している場合、個別財務諸表では「リース特有の取引に関する情報」と「当期及び翌期以降のリースの金額を理解するための情報」を注記しないことができます(適用指針第110項)。「会計方針に関する情報」は、連結財務諸表の記載を参照できます(第111項)。
理解度チェック
連結財務諸表を作成している会社の
個別財務諸表で、
注記しないことができるのは
どれですか?
答えと解説を見る
答え:B 個別財務諸表では、リース特有の取引に関する情報と、当期及び翌期以降のリースの金額を理解するための情報を注記しないことができます(適用指針第110項)。会計方針に関する情報は、連結財務諸表の記載を参照できます(第111項)。
本記事は、企業会計基準第34号「リースに関する会計基準」及び企業会計基準適用指針第33号「リースに関する会計基準の適用指針」(いずれも2024年9月13日 企業会計基準委員会)をもとにした一般的な解説です。個別の取引への当てはめは、事実と状況に応じて判断が必要です。判断に迷う場合は、新リース会計適用支援サービスでご相談いただけます。
